人に失望する理由
「おまえならできると思ったのに..」
「まさかあいつがそんなことをするとは思わなかった」
会社で仕事をしているとたまに聞こえてきます。
もしかしたらあなた自身もそのように感じたことがあるかもしれませんね。
実は僕自身、部下が思うように動いてくれなかったりすると、よくガッカリしたものです。
「あいつならわかってくれていると思っていたのに!!」
でも考えてみると、「失望」の前にはいつも「期待」があります。
期待するから失望する
いつしかこんなことに気付きました。
(特に管理職を経験したことがある人は思い当たる節があるでしょう)
なぜ期待してしまうのか
誰でも人に失望はしたくないものです。
でもそうであれば、なぜ人に「期待」をしてしまうのでしょうか。
2つの理由があると思います。
- 内部的要因: 「この人なら大丈夫」と思い込み、心理的安心を得たい。
- 外部的要因: 「期待している」と言えば、喜んで奮起してくれると思い込んでいる。
心当たりありませんか?
内部的要因の方は、「自信がないから相手にすがりたい」という状況の人。
または「"放っておける人"認定をして、自分の時間を確保したい」と考えた時に起こりがちです。
外部的要因は、主に経験によって培われている思考です。
例えば、
「自分は〇〇部長に可愛がって育ててもらった」
とか
「部下は上司の期待に応えるために努力しなければならない」
という凝り固まった考え方を持っている人は、
「自分はこうされたんだから、相手にもこうしたらいい」
という考え方になりがちです。
"相手のため"を匂わせつつ、結局は"自分のために頑張らせる"という魂胆が透けて見えますね。
人に期待をぶつける最大の懸念
人に期待をぶつけると、失望する可能性があることはわかりました。
でも、もうひとつ人に期待をぶつけることの懸念点があります。それは、
「人への期待は際限なく膨らんでいく」
ということです。
多くの人は期待に応えてもらえると満足します。でもその満足感は長くは続きません。
「これくらいやってくれたのだから、もっとできるだろう」
と考えて、次々に期待値を上げていくのです。
人は完璧ではない
釣り上がった期待値に応え続けられる人はいません。
もしかしたらそんな人も存在するのかもしれませんが、僕は会ったことはありません。
次々に膨れ上がった期待の先に待っているのは「失望」。
そんなのは悲しすぎますね。
だから期待をぶつけるという行為は、繊細で丁寧に扱わなければならないのです。
人に期待するよりも..
"他人への期待"とうまく付き合うには、2つの方法があります。
- "期待"を"信頼"に置き換える
- 期待値の"基準"を明確にする
まず、期待と信頼は異なるということを理解しましょう。
このツイートに書いたように、期待は"コントロール"であり信頼は"受容"です。
自分が部下の立場だったとしたら、どちらの方が働きやすいのかは明白ですよね。
そして「期待値の基準を明確にする」ことも有効です。
「適切な基準の元で設定される期待値」は物事への集中力を高めます。Job Descriptionなどの文章化されている資料を元に、期待値の合意を取るのはとても重要です。その際は私情や感情を挟まずに行います。
「他人への期待」は時として凶器になります。
相手を"期待"という言葉で縛り付けず、大人な関係として付き合っていきたいですよね。